アイドルそのものへ!

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『原宿発!神宿です。』全曲レビュー track 6. 必殺!超神宿旋風

 この曲の中で関口なほは、「正直歌詞の意味難しすぎてよくわかんない」と歌っている。しかし、詞はそこまで難解ではない。もしも「よくわかんない」部分があるとすれば、それはオマージュ(パスティーシュ、パロディ、まあ、何でも構わない)の部分だろう。

 神宿の楽曲には、しばしば、マンガやアニメ、ゲーム、そして他の楽曲への言及が織り交ぜられている。この曲でのわかりやすいオマージュは、「変身をまだ三つも残してるの!!!」だろう。『ドラゴンボール』で、フリーザがピッコロに対して言い放ったセリフだ。ただし、フリーザのオリジナルの台詞は「その変身をあと2回もオレは残している」であり、神宿に比べて変身残余は1回少ない(だからなんだ)。

 他にも「不思議な力が湧いてくる」のは、おジャ魔女カーニバルのオマージュなのか? とか、「どうにもこうにも止まらない」のは山本リンダじゃないのか? とか、色々な疑惑が湧いてくるが、いずれも決定的ではない。

 ライブでこの曲を歌うときに観客を大いに煽り立てる羽島めいは、CD音源でも活躍している。「君のために投げキッス」が彼女のパート。透明感あふれる歌声でのフレーズ。めいにとって、リスナーをノックアウトさせるにはこのワンフレーズで十分だった。