アイドルそのものへ!

つねに今ここにいるアイドルそのものへと立ち戻って語ること。

『原宿発!神宿です。』全曲レビュー track 7. 僕らは愛を信じている

 アルバム用に書き下ろされた楽曲だ。

 小山ひなの歌唱によるアタマサビで始まるのは、神宿の多くの曲に共通する構成。しかしBメロではビートルズ "A Day in the Life" を彷彿とさせる不穏なストリングスが鳴り響き、そこから関口なほによるブリッジ。サビに突入するがサビは2度繰り返される。そこで、「震えるぞハート 燃え尽きるほどヒート」である。ジョジョだ。第1部のジョナサン・ジョースターのキメ台詞そのまんまだ。これほど堂々と、しかもサビでパロってくるとは……。

 聴きどころは落ちサビのなほによる「嫌いだ」の連呼だろう。この「等身大」な歌声を持つなほの存在こそが、ともすれば「アーティスト」へと越境してしまいかねない技巧を持つ神宿を「アイドル」たらしめている最後の砦、最重要な特異点であることを確信させてくれる。