アイドルそのものへ!

つねに今ここにいるアイドルそのものへと立ち戻って語ること。

『原宿発!神宿です。』全曲レビュー track 10. Summer Dream

 ストリングスとピアノにのせた小山ひなのソロ歌唱から始まり、そこからホーンが爆発してハイテンションな楽曲になだれこむ。アルバムの最後を飾るのは、今や神宿の夏のステージの定番曲ともなった楽曲だ。

 歌詞中では明示されていないものの、何かのスポーツに打ち込む少年と、少年に恋するものの打ち明けずにいる少女の夏が描かれる。ちょっと嘘くさいほどの青春スポーツ恋愛マンガ的な趣きだが、作者のながいたつの「ロマンチックなものが好きで、実際の高校生だって現実には体験してないような、超現実美の世界を描きたかった」とのコメントを読めば納得がいく。

 聴きどころは、ブリッジで、左トラックから聴こえる台詞だ。ライブでは録音で対処しており、歌われることがないので正確にはわからないが、2番の「言わないよ」は羽島めいだと思う。1番の舌ったらずな「好きだよ!」は小山のように聴こえるが、小山のボーカルに小山のセリフをかぶせるだろうかという疑念もある。だとすると羽島みきだろうか。謎は深まる。